人間万事塞翁が馬

現在の仕事についた経緯
講師デビューは小学館アカデミー絵画倶楽部。私の恩師で統括講師の有賀一宇先生と、師弟というよりも仲良し親子のように接している間に、教育者としての能力が養われていきました。 この教室は講師個人の考えで指導するのではなく、統一指導方針が魅力の一つで、クラスに偏りのないカリキュラムがあります。 有賀先生のご逝去で、私が統括指導講師になった頃から様々なアイデアが浮かび、指導内容の幅を広げたかったのですが、統一指導ですので新人講師にも合わせられる内容にするには限界がありました。この頃には安心して任せられるベテラン講師も揃っていましたので、独立し、現在に至ります。
仕事でのこだわり
「スケッチをしてみたい」「好きな写真を絵にしてみたい」というような憧れがあっても「自分には才能がない」とお考えのかたは少なくありません。ですが、「知識と技法」をしっかりとインプットすれば才能やセンスなどは関係ありません。 子供はひたすら褒めることが重要ですが、大人は理屈が頼りです。そのため、「なんとなくいいね〜」「いい感じがする」という、よく美術家にありがちな「感覚」で伝えるのではなく、良い点も注意点も「○○だから○○です」などの理論で教えています。「いい感じだね」とだけ言われても、学ぶ側にとっては何処がなぜ良いのか解りませんよね?『感覚ではなく理論』が大切です。
仕事での嬉しい瞬間や楽しい瞬間
あらゆる表現方法の課題を用意して、作者の持ち味を生かしながらの指導を心掛けていますが、その成果が現れているんです。また、教室やご自宅で描かれた自主制作作品を添削するのですが、誰とも被らない“らしさ”が、ちゃんと表現されている結果を見ると、これは講師冥利に尽きることです。 私は「仕事は楽しく遊びは真面目に」という考えですが、仕事を楽しめるようにしてくださった生徒さんたちに、日々感謝をしています。
今後、仕事でやりたいことや叶えたい目標は
「エスキモーでも習いたかろう」。離島なども含め、近所に絵画教室のないかたへ伝えるためには、YouTubeと書籍が必要ですね。授業内容を物惜しみせずに作るつもりです。YouTubeでは、 平賀美術倶楽部の授業内容や旅先でのスケッチを主としますが、時折ゲストを迎え、好みの画材とテーマを選んでいただき完成まで指導することも考えています。 書籍でもYouTube同様、授業内容100%ですが、デッサン基礎編、水彩基礎編、テーマ別応用編と分けて販売、テーマ別は20種以上は用意したいです。 メディアであれば、TBS系列バラエティー「プレバト」のような番組の講師として縁があれば幸いです。出演者のタッチ、持ち味を生かし、コピーに加筆添削をするビフォーアフターで番組を盛り上げたいです。
目標、または参考にしている人物とその理由
私の師、有賀先生は、月刊コロコロコミックの装丁デザイン(初代)を担い、藤子不二雄、ちばてつやなど多くの有名漫画家との親交があり、彼らに人物の描き方を指南したこともあるかたです。 リタイア後、友人たちの要望もあり個人教室を始めますが、彼らの弱点があまりにも多いことを知り、表現への憧れを1人でも多く叶えるために小学館アカデミー絵画倶楽部を創設しました。東京芸大出身なので描く技術も優れていますが、彼は4万点余りの絵画が頭脳に入っています。 「私は科学者の眼を持つ教育者だ」という彼の発する教えが現在の私を生み出しました。 既に師のキャリアを超えてしまいましたが、今後も有賀イズムを守り、進化させていきます。
President Word
人間万事塞翁が馬
Profile
平賀 太朗
平賀美術倶楽部
1991年武蔵野美術大学造形学部油絵学科卒業(優秀賞、研究室賞受賞) 1999年銀座牧神画廊個展 。2004年調布画廊個展。 2008年 4人の素描展 。2014年ギャラリー石の蔵個展 2015年。渋谷Bunkamuraギャラリー平賀派2代展。 2017年人人展(東京都美術館/湯島羽黒洞)。2021年大磯の三人展 他多数展覧会開催 。2003年小学館アカデミー絵画倶楽部(銀座校)、業務委託契約。2019年同アカデミーで統括講師となるが、平賀美術倶楽部設立のため小学館アカデミー絵画倶楽部退任。